応募者や社員は「会社名」を必ず検索する
最近では、「ブラック企業」という言葉が、誰にでも理解されるほど、一般的になってきました。このような影響か、一昔前であれば、多少問題のある労務体制を放置していたとしても、直ちに会社経営に影響を及ぼすものではありませんでしたが、現在はそうもいかなくなっているのが現状です。
なぜなら、2ちゃんねるをはじめとした「投稿型掲示板」やフェイスブック、ツイッターといった、いわゆる「SNS」等によって、会社の内情を簡単に暴露することができるからです。
さらに会社名等を検索すると、「●●株式会社 ブラック」といったように、グーグルの「サジェスト機能(予測検索)」によって、労務管理とは別のことを調べようと思っていた人達に対しても、「ブラック企業なのか!」と、誤解をされてしまう場合も多々あります。
インターネットにおける情報によって、その実態に関係なく、「ブラック企業」と広く認識されてしまうキッカケになってしまいます。
① 『5ちゃんねる』
皆さんもご存知の匿名型掲示板サイトです。SEO(検索順位)もそれなりに強いため、会社名付きのスレッド(掲示板の題名)が立ってしまうと、会社名検索時に1ページ目に出てきてしまう可能性が高いようです。削除を依頼する場合、5ちゃんねる上の削除専門の掲示板に「こういう理由で削除してほしい」と依頼することになります。
違法性を帯びる書き込みであったとしても、5ちゃんねる運営もボランティアが多く、簡単に削除しないのが現状のようです。
また、ミラーサイトがいくつか存在するので5ちゃんねるのスレッドや書き込みを削除できてもコピーサイトは残るので、一旦書き込まれたものを削除するのは相当な苦労が必要です。
② 『転職会議』
こちらは、いわゆる『食べログ』(飲食店の口コミサイト)を転職サイト版にしたようなものです。
主に元従業員が、労働条件を項目ごとに点数付けをして、内情を書き込むサイトです。こちらもSEOが強いために、会社名検索時に1ページ目に出てきてしまう可能性が高いです。2ちゃんねるは色々とコストをかけて削除したけど、今度は、こちらのサイトが検索表示されるようになってしまった、という場合も多いようです。
削除を依頼する場合は誹謗中傷対応を得意とする弁護士にお願いする方がベターですが、その際、書き込みが事実でないという根拠となる書面や証拠がないと、速やかな削除は困難なようです。
内情暴露サイト | 初期対応 |
---|---|
2ちゃんねる | 「削除依頼板」というスレッドにおいて、削除依頼を行うことになるが、削除されにくい上、削除できてもミラーサイトが多数存在。書きこみに訴訟を起こす場合には、早々に弁護士へ依頼した上で裁判所よりIPアドレスの公開を請求することになる。 |
転職会議 | 運営会社に削除依頼を行う。削除には消極的であり、書き込みが事実でないという証拠書面等の提出が重要になる。 |