「痴漢」を理由とする解雇は無効になるリスクがある。
公務員のように私人の見本となるような業務でない限り、通勤途中や私生活において痴漢行為が発覚したことを理由とする解雇や懲戒処分は無効となる可能性が高いでしょう。理屈の世界で言うと、業務との直接的な関連性がないと見られているからです。
ただ現場では、会社の信用失墜行為として懲戒処分が行われており、経営側の常識からすればそれも当然かと思います。この場合は、行為の程度、相手の年齢、普段の勤務態度や反省の程度などを考慮して、懲戒の程度を決定します。
尚、職場の多くを女性が占めている場合は、配置転換で対応することになります。
事実認定より、当面仕事ができないことを理由として普通解雇はあり得る。
一方、拘留あるいは逮捕によって、欠勤状態が長期になりそうな場合は、痴漢を理由とする解雇ではなく仕事ができないことを理由とした普通解雇はあり得ます。
ただし、痴漢も冤罪があったり相手側に嵌められたケースもあると聞きます。本人と話す機会を設け、反省の度合いや事実に関する言い分を聞いた上で判断をしても遅くはないので、痴漢で捕まったからといってすぐに解雇しようとするのではなく、対局的な判断が他の社員から疑心を生まない対応になります。