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会社から「労働委員会のあっせん」を利用するのも選択肢。

特定社会保険労務士 脇 淳一労働組合と団体交渉や事務折衝を重ねてもうまく解決できない場合があります。うまく着地できない理由としては、組合に加入した本人が固執して一切譲歩しない、組合担当者の交渉能力に問題がある、会社が一切解決案を提示しない、譲歩しないなど、様々な理由があります。感情的に対立している人たちが、和解しようとしているのですから、むしろ当然なのかもしれません。

このような場合、外部の解決機関を利用して解決を目指すことになります。労働組合との紛争の場合はいきなり裁判所ではなく、『労働委員会のあっせん制度』を利用するのが一般的な選択肢になっています。

各都道府県に設置されている労働委員会は、公益委員、労働者委員、使用者委員の三者が指名されて双方の主張を聞いて解決案を模索するものです。各々の立場からお互いを説明や説得されますので、客観的にも妥当な解決案が提示されることが多いです。ただし提示された解決案に応じる義務はなく、お互いが合意して初めてその意味を持つものです。

通常は組合側から申請をする場合が多いのですが、かなり攻撃的かつ固執的な労働組合も労働委員会のあっせんに持ち込むと途端に態度を軟化させることもありますので会社から申請してしまうのも視野に入れておきましょう。本来であれば労働組合との間で直接解決するのがベストですが、組合の交渉がうまくまとまりそうにない場合は会社から労働委員会のあっせんの申請をすることも解決策の一つです。

労働委員会のあっせんが決裂した時は

労働委員におけるあっせんが不調に終わると、通常は裁判所へ持ち込まれることになります。この場合、いきなり本訴ではなく、『労働審判制度』が利用されることが多いです。

労働審判制度は、平成18年4月に制度が開始され全国50ヶ所にある地方裁判所の本庁で行われます。『迅速かつ適正で実効的に解決する』ことを目的としており裁判官1名と専門的知識を有する労働審判員2名からなる労働審判委員会において、3回以内の期日で終了しすべて非公開にて行われます。弁護士のみ代理人として選任できます。

労働審判は当事者双方の言い分をまとめた「調停」を行います。労働審判委員会が提示した調停案に当事者双方が合意し成立した場合には、調停の内容は「確定判決(裁判上の和解)」と同じ効果を持ちます。そして、停が成立する多くは『会社が解雇を撤回して、合意による退職』として、結局は会社が一定の金銭を支払うというケースがほとんどです。

結局、労働審判になっても会社が一定の金銭を支払って終了という決着が多いのが事実です。とにかく労働組合問題を解決したいという意向であれば、会社から労働審判に持ち込んでしまうことも選択肢の一つとなります。一般的に組合側からアクションがあって、このような外部機関に引っ張り出されることが多いのですが、労働組合との交渉がうまくいっていないときには、会社から外部の解決機関を積極的に利用して、早めに決着をつけることも、最善の組合対策になり得ます。

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