団体交渉の拒否が可能な場合とは
正当な理由なく団体交渉を拒否、あるいは無視することは不当労働行為に当たります。団体交渉の拒否が可能な代表例としては・・・
- 労働組合といっても、実態が単なる連絡機関などに過ぎない場合
- 労働組合員の人数や、一体誰が組合員なのか、誰ひとりとして分かり得ない場合
- 必要以上に大勢で詰めかけて、交渉担当者がだれか明確でないまま、参加者が不規則に発言を繰り返す場合(大衆団交)
- 肉体的に限界を超えるほど長時間にわたる団体交渉を強要する場合
- 暴行、脅迫、監禁などの行為があった場合
反対に『不誠実団交』とは、団体交渉には応じているが実質的に団体交渉に応じていない状態と同様の場合を言います。
不誠実団交の代表例としては・・・
- 団体交渉の開始時点から、要求事項に対する検討余地もなく、一切、拒否の姿勢を貫く場合
- 出席者が交渉権限を持っておらず、単なる連絡要員にすぎない者を出席させ続ける場合
- 回答の根拠となる資料や書面を一切提示しない場合
- 文書のやり取りに固執して、団体交渉の開催に応じない場合
- 団体交渉の参加人数や開催方法を巡って合意できないことを理由に、いつまでも団体交渉に応じない場合
以上は代表例ですが、何か姑息な手段で団体交渉を拒否しようとすると、結局は会社が痛い目をみることになりますし、いつまでたっても問題が解決しませんから、必要以上に入口で揉めずに、団体交渉を受けて、回答とその根拠を説明するのが、通常対応になります。
こちらが誠実に交渉しようとしているにもかかわらず、相手の労働組合が上記のような言動を取った場合には警告を行いましょう。数回以上の警告を行ったのにもかかわらず、状況が改善されない場合は団体交渉を拒否をしたり交渉自体を打ち切ることが必要かつ妥当な対応場面も出てきます。交渉自体を打ち切ることが目的ではありませんが、このような毅然とした対応が必要だと考えます。