労働組合といえども、暴言には毅然として対応する。
合同労組の中には、団体交渉で恫喝とも思える言動を繰り返す組合担当者がいます。
当方の経験では、いきなり名刺交換で名刺を踏み付けられたり、挨拶をしただけなのにいきなり胸倉をつかまれて社労士会へ通報するなど言って、恫喝されたこともあります。こんなことは屁でもありませんし、もし今後に同じことがあれば私個人として刑事告訴や民事訴訟を延々と提起するつもりです。
脱線しましたが、組合員が望んでいない活動姿勢で臨む、このような一部の合同労組が労働組合の加入率を低くし、解決機関としての評判を落としているものと考えておりますが、令和の時代でも一部存在するのは事実です。
社会的相当性を超えて、恫喝を繰り返すのであれば、団体交渉を打ち切ることも一策であり、理論上も許されるものです。ただ、労働組合側は団体交渉拒否だと不当労働行為を主張するでしょうから、一度は警告し休憩を入れる程度にとどめて、再度団体交渉を再開して、それでも暴言が続くようであれば、一方的に打ち切る毅然とした対応が必要になります。そして、後日文書にて抗議文書を通知します。
もし恫喝や暴言にとどまらず、暴力的行動にまで及び、改善する意思が見られない場合には、書面にて事前に暴力的行動は行わないと約束しない限り、団体交渉に応じない対応と通知を行うべきです。刑事告訴も辞さないことを通知し、実際に行うことも検討する必要があります。
参考裁判例としては、労働組合が原告との間で、たびたび多数による暴力的行動を繰り返してきており、今後も団体交渉の場で暴力的言動を繰り返す蓋然性が極めて高く、暴力事件の謝罪と再発防止を約束しない限り、団体交渉に応じることはできないと主張し、団体交渉を拒否した事案があります。(マイクロ精機事件・東京地判昭和58年12月22日)
裁判所は、「将来行われる団交において労働者やその団体の代表者等が恫喝や暴力を行使する蓋然性が高いと認められる場合には、暴力を行使しない旨等の保証のない限り、団交を拒否することは正当の理由がある」として団体交渉の拒否を容認しており、不当労働行為を認定しませんでした。
このように、労働組合だからと言って、社会的に容認できない暴言、暴力は許されるものではありません。毅然として対応する必要があります。