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『ビラ貼り』への対応は?

特定社会保険労務士 脇 淳一労働組合の代表的活動としてビラ貼りが挙げられます。ビラ貼りは、会社に対する要求事項や組合員の勧誘、会社の内部事情の暴露の場として使われることもあります。内容によっては、懲戒処分損害賠償請求などが考えられますが、関係が良好でない外部労組の場合には社内への影響が大きいものです。(大多数が組合員で友好的な関係にある場合は除きます)

社内のビラ貼りが、労働組合活動の一環だからといっていつでも自由にできるわけではありません。原則としては会社の許可や合意が必要となり、この合意がない場合は正当な理由がある場合に限って、許されることになります。正当な理由なくビラ貼り行為を行った場合は、建造物損壊罪(刑法260条)や器物損壊罪(刑法260条)に該当する可能性があり、ビラの枚数、貼付場所や原状復帰の困難度等により考慮されます。(金沢タクシー事件(最一小判S43.1.18))

会社の許可あるいは正当な理由がない場合には、労働組合に対して撤去を要求することになり撤去を要求しても、応じない場合には会社がビラの撤去を行うことができます。そして修繕費用などを労働組合へ損害賠償請求することが可能です。いずれにしても、組合との交渉がこじれてくるとビラ貼りを要求されることがありますが、このような背景を踏まえて慎重に判断し対応する必要があります。

『ビラ撒き』への対応は?

ビラ貼りと並んで「ビラ撒き」も代表的な労働組合活動です。ビラ撒きは、会社内で行われる場合と、会社外で行われる場合があり、いずれかで会社の対応は大きく異なります。会社内におけるビラ撒きは、基本的に会社の許可しない限りこれを行うことはできません。会社の許可を得ずビラ撒き行為を行った場合は懲戒処分の対象となり、このような行為を禁止する就業規則も有効と考えられています。

しかしながら一方で私立学校の職員室におけるビラ撒きに対し行われた懲戒処分の事案について、配布方法も平穏で制度があまり入室しない時間帯になされていることから、職場規律を乱す恐れはないとして懲戒事由には当たらず、組合へ嫌悪を示す学校の対応は不当労働行為に当たると判断しました。(倉田学園事件(最高裁H6.12.20))

原則的には許可制であり、禁止とすることは何ら問題ありませんが許可を得なかった場合は全てに厳しい対応が可能であるということではなく業務に大した影響が出ず業務運営に配慮が見られるビラまきの場合は、会社が許可せずとも許される場合があるということになります。ただし就業時間中の組合活動は、組合員と言えども職務専念義務がありますので、この場合は懲戒処分を行ってもほぼ有効になると考えられます。(程度の軽い処分)

会社外で行われる場合ですが、就業時間外であれば、会社は基本的に禁止とすることはできないと考えてください。基本的には静観する他ありませんが、ビラの内容に、会社の名誉や信用を棄損し、業務運営に影響を与えるような虚偽の内容や会社の秘密事項等を公表する内容であれば、ビラ撒きの正当性が否定される可能性が高くなりますので、会社は抗議し修正を求めることが可能だと考えます。

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