結論から申し上げますと、可能であり同意取得も必要ありません。その理由としては、御社では賞与の支給や金額が約束されていない現状であるため、その支給額は経営判断で決定する事が可能であるからです。
他方で、通常の月額に反映する場合には、懲戒処分としての選択肢しかなく「減給」として行うことになりますが、労基法91条において限度額が定められており、賞与にもこれが当てはまり減額が無効なのではないかと争われた事例があります。
この裁判例においても、「~一審原告はこの査定によって初めて具体的賞与請求権を取得したものというべきである~」として賞与における欠勤控除査定を有効と判断しております。(マナック事件 広島高裁・平13..5.23 )
つまり、御社では賞与額があらかじめ約束されていない以上、賞与において実際に欠勤時間数以上の欠勤控除を行うという制度は、理論上問題ないことになります。
とはいえ、実質的に賃金の減額により、「社員を威嚇して関係を築く」制度とも言えますので、よくよくご検討を頂いた上で、導入時には制度趣旨を書面などで詳しく説明いただいたほうがよろしいかと存じます。単に結論だけ見せると、余計なハレーションを及ぼす可能性があるので入れざるを得ない主旨などを加えていただくのがベターかと思います。
※ この回答は顧問先様のご相談と当所の回答内容をを脚色して、公開しているものです。顧問先様の前提を把握した上での回答ですので、どの企業様にも当てはまるものではないことをご了承ください。