『専門業務型裁量労働制』は、専門性の高い職種に就く社員に、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に社員の裁量に委ねて、労使協定という従業員代表者との合意文書を作成することによって、その労使協定で定められた時間を、1日の労働時間としてみなす制度です。
例えば、システムエンジニアの社員を専門業務型裁量労働制の対象とし、労使協定で「1日の労働時間は8時間」とみなせば、1日12時間労働したとしても、8時間とみなして残業代は発生しないということになります。
以下に掲げる職種であれば、『専門業務型裁量労働制』を導入することができます。
- 新商品、新技術の研究開発の業務
- 情報システムの分析、設計の業務
- 取材、編集の業務
- デザイナーの業務
- プロデューサー、ディレクターの業務
- コピーライターの業務
- 公認会計士の業務
- 弁護士の業務
- 一級建築士の業務
- 不動産鑑定士の業務
- 弁理士の業務
- 情報処理システム活用のコンサルティング(問題点把握又は活用方法の考案・助言)の業務
- 建築物内の照明器具、家具等の配置のコンサルティング(考案・表現、助言)の業務
- ゲームソフト創作の業務
- 証券アナリストの業務
- 金融工学等の知識を用いる金融商品の開発の業務
- 二級建築士又は木造建築士の業務
- 税理士の業務
- 中小企業診断士の業務
メリット
- サービス残業がなくなる。
- プライドの高い社員には、士気を上げるのに有効
デメリット
- 一定職種しか、対象とならない。
- 社内の規律のようなものが、なくなってしまう可能性がある。
- 上司にあたるマネージャーは、この制度の対象とならない。
専門職といっても、やはりマネージャーや上司がいて、注意指導を行うことが一般的です。
このマネージャーや指導する立場にある社員は、もっぱら専門職業務に従事しているわけでないため、専門業務型裁量労働制の対象とはなりません。
したがって、『部下は残業代なし。しかし、上司は残業代あり』といった、おかしな構図になる可能性があります。通常は、上司の方が長く仕事しますから、上司には定額時間手当制度の導入を検討することになります。
であるならば「全員が定額時間手当制度でよいかな」と考える会社も多くありますよね。また仕事の内容によって、「実態は細かく指示を受けていて、専門型裁量労働制ではない!残業代があるはずだ!」と主張されるリスクも付きまといます。