採用後の提出書類についてですが、労働契約書、誓約書、秘密保持契約書に加えて、やはり「身元保証書」は取っておくべきですね。
一般的に身元保証人は、会社に損害を与え、社員がその補填をするのが難しい場合、当該社員の身元保証人にその補填をしてもらうためのものと考えられています。
しかし、今日では、社員が会社に与えた損害補填を求めるという場面は、現実的にはあまりなく、実際に求めたとしても、法的に会社が弱いケースが圧倒的です。(雇用責任の範疇と判断されることが多いということです)
したがって、「現実的に損害補填の意味がないのであれば、身元保証人を求める事自体に意味がないのではないか?」と疑問が沸いてくるのは、当然の流れだと思います。
しかし、身元保証人は、損害賠償責任云々のためだけではなく、当該社員の「人物保証的意味合い」もあります。むしろ、こちらの方が重要となってきていると思います。
今日では、「社員の精神障害」が社会問題となっている時代です。
私は医者でも、医療関係者でもありませんが、うつ病をはじめとした精神障害の原因には、様々な理由があるはずで、会社で長時間働いていれば、会社の担当業務や、人間関係が理由となっていることも多くあるはずです。
とすると、やはり今後について、本人と会社のためにもよく話し合う必要があるわけですが、精神的に不安定な本人だけでは、会社が良かれと思って配慮した事も悪意を持って捉えられたり、そもそもまともに話し合うことすら困難な場合もあります。
このような場面では、身元保証人を含めた話し合いが有効です。
状況に応じて、身元保証人から説明や説得をしてもらうこともできます。また本人も、身元保証人の面子に配慮しなければならない効果もあります。
さらに加えると、身元保証人が両親だけでは、感情的になってしまって、話がまとまらないことも多くありますから、身元保証人は、可能な限り、親1名と親以外1名の計2名を付けておくということが重要です。