是正勧告による指導内容は明らかな法令違反事項。
労働基準監督署の調査があり、違反が確認された場合でも、いきなり逮捕されたり送検される可能性は、非常に低く、通常は是正勧告や指導に留まるということは、前述の通りです。 この是正勧告や指導は、事後に報告が必要な事項については、「是正勧告書」あるいは「指導票」といった書面で行われます。 問題のある法令違反条項と具体的な指摘事項、そして改善報告を行う期限が各々記載されており、一つ一つ対応することになりますが、「是正勧告書」という書面と「指導票」という書面がそれぞれ交付されることがありますが、この違いはなんでしょうか?
この違いは、明らかな法律違反が確認される場合は「是正勧告書」へ、法律違反の可能性がある事項や望ましくない点がある場合には「指導票」によって、警告指導がなされると考えてください。是正勧告書と指導票の内容では、多少の温度差があるということです。
当然のことながら、是正勧告書及び指導票によって指摘された事項は全てを改善し、報告する必要があるわけですが、完璧に改善することはどうしても難しいと言った場合は「是正勧告書」によって指摘された事項を優先的に改善していく必要があるということになります。
もちろん、指導票だからと言って軽視してよいわけではありません。改善できる点は、全て改善をしていきます。また指導票において、「社員の長時間労働に関する指摘事項」があれば、それは「長時間労働を解消しなさい」という重要なメッセージと捉える必要がありますから、この場合は「社員の長時間労働防止に関する対策」をかなり重点的に講じていく必要性があります。