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書面でなく口頭でも可能ではあるものの、、、。

特定社会保険労務士 脇 淳一懲戒処分の通知方法は、会社が社員に対する一方的な通知です。したがって、書面に限らず口頭で行うことも可能であるのが民法上の考えになります。民法においては、懲戒処分の通知方法を書面で行わなければならないルールはありません。

就業規則の規定において「懲戒処分は書面で通知する」といった規定がなければ口頭でも行うことは可能です。

本来は純粋な改善の通知が目的。実務では必ず書面で通知する。

しかし、実務対応では書面で通知するべきです。書面交付により、懲戒の内容を明確にして、そのような問題行動は組織では許されないという会社の強い意思を示すことで真摯な改善を求めます。

また、指導を行っても尚、改善が見込めない場合には普通解雇が視野に入ってくることになりますが、解雇が濫用でないかの判断において、どの程度指導改善を行ったのか、このプロセスが非常に重要になるものです。つまり、書面において行うことで、指導した経緯を客観的に残すことができます。

けん責などの懲戒処分であれば、しっかりと改善の機会を求めることにより二度と同じような行為を起こさないようにという意味を伝えることができます。書面でリアルかつ詳細に説明を行うことで、改善に本気になってもらい将来的な紛争を防ぐ効果も持ちます。

また、もし懲戒処分通知を受けた社員が弁護士や合同労組など外部機関に相談した際、相談を受けた側はそのような書面の有無や内容を必ず確認します。社員本人もプチパニック状態でしょうから、自身にとって都合の良い話だけを伝える可能性もあるでしょう。

その中で、書面により会社側の意思や真実に近い状況を理解することで、特に最終局面で中立的な立場で早期解決に苦心してもらえる場合もあります。穏当な交渉ができる可能性も高まる効果もあります。

懲戒処分の通知書の受け取りを拒否された場合には、懲戒の意思表示が到達したことや懲戒処分の通知をしたプロセスのために、内容証明など記録が残る形式で自宅へ送付することになります。

その上で、必ず本人の言い分、主張は聴くことを忘れない。

懲戒処分を通知した上で、必ず同時に「本人の言い分や主張は聴く」ようにしましょう。懲戒処分の理由となる事実認識が間違っている可能性がありますし、特に社員間の協調性によるものであれば、他の社員の申告内容が事実でないことも多数あります。

事実認識が異なるのか、事実認識は認めた上で反省しているのかそうでないのか、ここは受容的に聴き弁明の機会を付与して今後の判断材料にすることが問題解決につながりますし、理論的にも弁明の機会を付与したと解釈され、懲戒処分等の有効性が高まるものです。

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